第1回の「リスクとリターンの関係を知ろう」の記事では、キャピタルゲイン、インカムゲイン、為替差益の3つのリターンについて説明しました。今回はキャピタルゲイン(値上がり益)とインカムゲイン(配当や利子収入)の違いについて、もう少し詳しくみていきます。あわせて、新型コロナウイルス感染拡大のインカムゲインへの影響についても触れたいと思います。
将来を期待して動く株式やリートのキャピタルゲイン
株式などの値上がり益であるキャピタルゲインは、将来の景気動向や企業業績の予想によって変動します。景気の見通しが今後良くなる、好景気が今後も継続することが期待できれば、株価やリート価格は上昇します。
個別企業の場合では、企業の成長性や収益の増加などが期待できればその企業の株価は値上がりします。逆に今後景気が悪くなると予想された場合や、企業の成長が鈍化し、収益が減少した場合には値下がりします。
過去の実績により動く株やリートのインカムゲイン
株式の配当、リート(不動産投資信託)や投資信託の分配金に当たるインカムゲインは、過去の実績に左右されます。
株式であればその会社の利益が増えれば、リートの場合は賃料収入が増えれば増配が期待できます。特にJ-REITの場合は純利益の90%以上を分配に回すため、株式以上に当期実績が配当の増減を左右します。
リートの仕組み
リートは賃料収入が得られる物件を複数所有し、賃料収入や物件の売却益などから、投資家に分配金を支払います。分配金の原資の大半は賃料収入です。賃料収入は、賃料や空室率の上昇下落により変動します。