待ちに待っていた人は多いだろう。今季のプロ野球の開幕日はセ・パ両リーグ同時で6月19日となることが正式に決定した。新型コロナウイルスの感染拡大による影響で約3カ月遅れの史上最も遅いスタート。公式戦の試合数は当初の143試合から120試合に削減され、11月21日開幕に組み直された日本シリーズへの出場を目指し12球団の戦いの火ぶたが切って落とされる。
感染リスクと球団経営とを天秤にかけながらの模索
CS(クライマックスシリーズ)の開催を巡ってはどうやら両リーグの調整が一致していないようで、最終的にセは実施を見送り、パは短縮日程で挙行するとみられている。悪天候でも試合開催の面で左右されにくいドーム球場を本拠地とする球団がセは6球団中で「2」しかなく、予備日を含めれば日程確保の面に余裕はない。
逆にパは6球団中で「4」あることから各球団の思惑とすれば、CS開催によってリーグ優勝決定後の消化試合を極力減らして収支を取り戻したい考えもあるようだ。いずれにせよ、両リーグのCS開催可否についても近々に公式戦日程と同じタイミングで追加発表されるという。
CSや開幕カードを含めた公式戦スケジュールが開幕日と同時に発表されなかった背景には、やはりNPB(日本野球機構)と12球団の苦悩がうかがえる。開幕延期を強いられる中、コロナ禍の感染リスクと各球団のひっ迫した経営状況を天秤にかけながら、これら相反する2つの事柄に向き合いつつ“出口”を見つけようと腐心し続けている。とりあえず「6・19」の船出は決まったが、本当に日本シリーズまでフィニッシュできるのか。NPBと12球団の多くの関係者は今、どちらかと言えば開幕日を決められた喜びよりも、こうした不安感にさいなまれている。