森川氏は、これが次世代のマーケティングツールになるという。
「従来のインフルエンサーは、報酬をインセンティブでもらいます。だから商品知識がないままポジティブなコメントだけを投稿し続け、フォロワーからの信頼を失うこともありました。一方“ファンフルエンサー”とは、金銭で動くのでなく、自分の意思で投稿してくれる方を指します。商品力に自信がある企業は、ファンフルエンサーが集まるイベントを催したり、彼女たちが発信した動画のコンテストを行うなどして、ファンフルエンサーの気持ちをがっちりつかむほうが重要かもしれません」
有名人ではないため、ファンフルエンサーのフォロワー数は数千人~数万人程度。しかし森川氏は「それでいいんです」と話す。「数多くのファンフルエンサーが、視聴者からのコメントに返信するなど様々なやり取りをしてくれたほうがいいんです。なぜなら、このやりとりの数は購入数と比例するからです」。
そしてC Channelは、このファンフルエンサーを組織する。同社は、ファンフルエンサー動画のコンテンツ作成、配信、効果測定まで一気通貫したサービスを10万円台から提供できるという。しかもファンだから、商品を繰り返し紹介しても、愛情たっぷりに紹介しても違和感はない。
踊らされるのは大嫌い、そんな若者は、逆に自由意思での発信を好む。ここがマーケティングの大きな転換点になっているのだ。
GAFAが入り込めない「人臭い」領域での挑戦
森川氏は、ライフスタイルの中に違和感なく新しいサービスを溶け込ませることに長ける。冒頭で紹介した通り、森川氏は2011年にリリースされた「LINE」の生みの親でもある。そんな森川氏に成功のカギを聞くと、非常に興味深い答えが返ってきた。