(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)
韓国の新型コロナウイルス感染者数は、発生源の中国を除くと世界で最多となった。なぜ韓国でそれほど感染が拡大したのか?
新興宗教団体の集会で一気に感染が拡大したことが伝えられている。だが、そもそもの最大の原因は、「韓国が中国政府の圧力によって中国からの入国者を制限しなかったこと」だという見解が、アジア情勢に詳しい米国の専門家によって公表された。
韓国の文在寅政権が、感染拡大が明白となった中国からの入国者を制限しようとしたところ、韓国駐在の中国大使から強硬な抗議を受けて入国制限を中止した。そのことが今に至る韓国内での感染拡大を招いたのだという。
日本も韓国同様に中国からの入国を受け入れ続けたことが、これほどの感染拡大を招いたといえる。韓国の状況は他人事ではない。
中国大使が「入国規制をしないように」
以上の見解を述べたのは、ワシントンの保守系シンクタンク「民主主義防衛財団」(FDD:Foundation for the Defense of Democracies)の上級研究員で、韓国の外交や防衛、中韓関係の研究を専門とするデービッド・マックスウェル氏である。
マックスウェル氏は、「中国の政治闘争戦略がコロナウイルスで打撃を受ける」と題する論考を執筆し、米国の週刊ニュース・評論サイト「ワシントン・エグザミナー」2月27日号に掲載された。