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「育児休業」と聞くと女性が取るものというイメージはありませんか? もちろん、育児休業は女性だけのものではなく、当然、男性も取得することができます。しかしながら、男性の育児休業の取得率は、いまだ6%程度と低い水準です。厚生労働省では、男性の育児休業取得率を上げるため、助成金を支給する取り組みを行なっています。それでは、どのようにすれば助成金が支給されるのか見ていきましょう。

男性の育児休業活性化のために、両立支援等助成金を活用しよう

 厚生労働省では、事業主が男性の育児休業取得を目指す職場づくりに取り組み、実際に5日以上(大企業は14日以上)の育児休業を取得する利用者がでた場合、事業主へ57万円(大企業は28.5万円)の助成金を支給する制度を設けています。

 どうしてこのような取り組みがなされているのでしょうか。現在、女性の育児休業の取得率は80%を超え、女性が休みを取ることは珍しいものではなくなりました。しかしながら、男性の育児休業の取得率は徐々に上がってきたものの、いまだ6%程度と女性の足元にもおよびません。理由としては、「育児休業の申し出がしにくい雰囲気がある」「自分が抜けると周りに迷惑がかかる」「職場の人手が足りない」など、職場環境に関係する要因が挙げられます。

 厚生労働省では、2020年までに男性の育児休業取得率を13%にすることを目標にしています。しかし、現状では目標達成にはほど遠い状況と言わざるを得ないでしょう。そこで、事業主へ助成金を支給する取り組みを行うことで、男性の育児休業取得率アップのテコ入れをしている、というわけです。

 では、助成金の受給までの手順を見ていきましょう。

(1)助成金を受給できる事業主
受給資格がある事業主は、「雇用保険に加入していること」「助成金の審査のための書類の保管、提出をすること」「申請期間内に手続きをすること」などです。従業員を雇っていても、雇用保険に加入していなければ申請をすることができません。また、労働保険料の滞納をしている場合も確認が必要です。

(2)助成金の支給額
中小企業の場合、1人目の支給額目安は57万円です。2人目以降は、育児休業の取得日数により、14.25万円から最大33.25万円まで支給されます。大企業は、1人目が28.5万円で、2人目以降は中小企業と同様に育児休業の取得日数により14.25万円から最大33.25万円まで支給されます。

 また、一定の生産性要件を満たせば助成金が加算されることもあります。ただ、この助成金は企業単位で支給されるので、事業所単位ではないことに注意が必要です。