(尾藤 克之:コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員)
玄関にしめ縄を飾り、暮らしの大切な場所に鏡餅を供える。大晦日には年越しそばを食べ、紅白歌合戦を見ながら除夜の鐘を聞く。元日は親戚一同が集まっておせち料理を食べ、揃って初詣に——。平凡ながらも幸せを実感できる瞬間です。
厚労省(平成30年版自殺対策白書)によれば、平成29年の自殺者数は2万1321人となり対前年比576人(約2.6%)の減少であることが明らかになりました。とはいえ、お正月明けは1年のなかで3番目に自殺者が多いことが明らかになっています(1位が夏休み明け、2位が新年度直後)。何の前触れもない自殺では、原因が特定されない場合が少なくありません。
年代別で見れば、「自殺」は15~39歳の死因第1位(40歳以上、死因1位は悪性新生物)。15~39歳の死因第1位「自殺」は、先進国では日本のみで見られる現象であることから対策が急がれています。また調査結果からは、若者の自殺以外に、中高年(50代)の自殺も顕著であることが明らかになりました。自殺対策はまさに喫緊の課題ともいえます。
心の疲れ、じっくり立て直しましょう
イヤでも仕事始めはやってきます。「もうダメだ」「行きたくない」と思わないためにも、今年1年間の仕事を振り返ってみましょう。私たちは、年末、年始をどのように過ごすことが望ましいのでしょうか。筆者なりに考察してみます。
1.仕事の負荷が限界に達していませんか?
仕事と負荷は密接に関係しあっています。負荷を感じていても、上司の評価や、お客様に対するやりがいがモチベートして、気にならないこともあります。しかし、強い負荷が継続して意欲が減退したら注意が必要です。精神的、肉体的に悪影響を及ぼしはじめたら、体が悲鳴を上げている証拠です。