2番目はテクノロジーにおける主導的地位、3番目はこれらを実現するための人材確保と組織づくりである。
この戦略実現には2013年にズベルバンクに迎えられたレフ・ハシス第1副頭取(ロシアのリテール最大手X5グループCEO=最高経営責任者や米ウォルマート上級副社長を歴任)の果たした役割が大きいと言われている。
ではズベルバンクは具体的に何をやっているのだろうか?
答えはシンプルである。国内のベンチャー企業を買い集めているのである。
ズベルバンクはこの1年間でフードデリバリーやタクシー配車、求人サイトにインターネットメディアにEコマース、ビデオ配信さらには病院予約・遠隔医療サービスまで傘下に収めている。
グレフ頭取によれば、同行は2018~2020の3年間に約1000億円を投じる予定であると発言している。
ズベルバンクが出資しているのは、こうしたネットサービスばかりではない。

中期戦略の2番目の目標、テクノロジーにおける主導的地位の確立にも余念がない。
例えばつい先週来日していたVisionLabs社は顔認識技術で世界のトップに位置する(米NIST顔認識ベンダー調査で2019年9月現在第1位)ベンチャー企業であるが、ズベルバンクは同社の大株主である。
同社の技術はズベルバンクのATMやモバイルアプリにも導入されており、顔認証による口座取引が既に実用化されている。
なんと先進的な取り組みであろうか!