(後藤 健生:サッカージャーナリスト)
アジア・サッカー界のクラブ王者を決めるAFCチャンピオンズリーグ(以下「ACL」)の決勝第2戦(11月24日)で浦和レッズがサウジアラビアのアル・ヒラルに敗れ、2年ぶり3度目の優勝を逃した。もし優勝していれば、浦和は「史上初の3度目の優勝」という快挙となるところだったが、サウジアラビアの首都リヤドで行われた第1戦(0対1)に続いて浦和はホームでの第2戦も0対2で落とし、優勝はならなかった。
日本勢としても、もし浦和が優勝していれば、一昨年(2017年)の浦和、昨年の鹿島アントラーズに続いて日本勢3連覇となっていたのだが、決勝戦は2戦を通じて完敗だった。
もっとも、サウジアラビアで最も伝統のあるクラブの1つ、アル・ヒラル(「ヒラル」とはイスラムのシンボルである「新月」のこと)が現在も国内リーグで首位を走っているのに対し、浦和はJリーグでは第32節終了時点で13位と低迷している。
J1リーグからJ2に自動降格となる17位以下とは勝点6(つまり2勝分)の差があるが、残留のためのプレーオフ(入れ替え戦)に回る16位にいる湘南ベルマーレとは勝点差はわずかに4ポイント。しかも、浦和の次節の対戦相手は2位のFC東京なのでまったく予断を許さない状況なのだ。
そんな、けっして好調とは言えない浦和が、韓国や中国のライバルたちを退けて決勝戦まで駒を進めてきたことの方がむしろ奇跡のようにも感じる。
Jリーグでは“強豪”と呼べない浦和
もっとも、2年前にACLで2度目の優勝を果たした時も浦和はJリーグでは7位に終わり、ACLで優勝はしたものの翌2018年のACLには出場できなかった(日本からはJリーグの1~3位および天皇杯優勝チームに出場権が与えられる)。そして、昨シーズンも浦和は5位で、今年のACLには天皇杯優勝の枠で出場していたのだ。