ドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)が迷走している。
年内に連邦下院で弾劾訴追される公算が強くなっているが、本稿では別の側面で問題視されているトランプの負の所業に光を当てたい。
10月22日、米国でトランプについての新刊本が出版された。
タイトルは『大統領の女たち:ドナルド・トランプという捕食者(筆者訳)』(ハチェット・ブックス)で、トランプの女性問題を新たに浮き彫りにした単行本である。
トランプが過去、数多くの女性と浮名を流してきたことはすでに知られているが、本書はトランプにセクハラや性的暴行、強姦されたと主張する43人の新たな被害女性たちの報告事例をまとめたものだ。
報告された被害女性はこれまでメディアには登場していない人たちで、著者である2人のジャーナリストが様々な手法を使って被害女性たちを探し当ててインタビューしている。
大統領になる前からトランプの女性問題はメディアに幾度となく取り上げられてきた。
ところが、前回選挙では大きい汚点にならず、さらに当選後も大統領の地位を脅かす騒ぎまでにはなっていない。