日本には、日本の運用の考え方や地理的な特性に合わせ、日米の技術を結集しで米国の「F-16」戦闘機を改造開発した「F-2」戦闘機がある。
それにもかかわらず、現在、青森県の三沢基地に「F-35」戦闘機の配備が粛々と進み、さらに「F-35B」戦闘機の導入が報道などで取り沙汰されている。
日本が、日米共同で製造したF-2戦闘機の後継機となる次世代戦闘機を具体的に形作っていくことは非常に難しい状況になっている。
そこで、次世代戦闘機の姿について、「F-4」および「F-15」の搭乗資格を持っていた元航空自衛隊戦闘機操縦者であり、航空自衛隊すべての戦闘機の運用を担う航空総隊幕僚長であった岩切の考えを中心として、わがチームが検討したことを述べる。
1.日本自慢の戦闘機
まず、日本と米国が開発し、今、現役で活動しているF-2はどのようなものなのか。岩切元パイロットは、F-2の搭乗資格を保有してはいなかったが、F-2の後席に乗り体験飛行を経験したことがある。
彼は、F-4およびF-15のパイロットの経験とF-2の体験搭乗を通じて、日本の戦闘機技術の素晴らしさを痛感した。
軽快な飛行感覚と全周が見渡せる良好な視界が印象的であり、「操縦性抜群の戦闘機だ」という印象が強いと述べる。
また、異常姿勢からの回復装置が装備されており、異常姿勢に陥った場合、スイッチを押せば、安定した水平飛行に戻ることができる、非常に良いシステムだ。
この装置のお陰でF-2は空間識失調での墜落は皆無ではないだろうか。
F-2導入当初、機体やレーダーシステムに若干の不具合があったものの、少しずつ改修された。日本防衛産業が自信を持ってよい、素晴らしい戦闘機だと確信している。