米マイクロソフトが欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会(EC)にグーグルに関する調査を申し立てたと伝えられた。
これまでは、マイクロソフトに関連する中小の企業などがECに申し立てを行っていたが、今度はマイクロソフト自らの要請だ。グーグル傘下の動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」の情報提供に関して、マイクロソフトを不利にする行為を行っているなどと訴えている。
「欧州の消費者に不利益をもたらす行動パターン」
グーグルの商慣行を巡っては昨年2月に、商品価格比較サイトの英ファウンデム(Foundem)など特定分野の検索サービスを手がける企業がECに苦情を申し立てており、ECは11月に正式調査を開始している。
これは、グーグルが検索結果で競合企業のサイトや広告の表示順位を意図的に低くしているという苦情だが、今回のマイクロソフトの訴えもこうしたグーグルの一連の商慣行を問題視している。
例えば、米司法省が2008年にグーグルと米ヤフーの検索事業の提携に独占禁止法違反の懸念を示し、両社の計画が白紙になったこと、書籍のデジタル化に関して米国の作家団体などが提起した訴訟などを挙げている。
マイクロソフト法務担当幹部のブラッド・スミス上級副社長が、同社公式ブログへの投稿で次のように述べている。
「米国ではこうした法的な措置が行われているが、残念ながらグーグルの商慣行は止められない」
「グーグルの支配力は米国でも問題となっているが、欧州では状況はさらに深刻。だから我々は、欧州の消費者に不利益をもたらすグーグルの行動パターンを強く懸念している」(ブラッド・スミス上級副社長)
新たにユーチューブを問題視
また今回マイクロソフトはユーチューブのサービスを問題視しており、これは今まで誰も主張してこなかった分野だと米ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。