企業価値向上と社会貢献との二刀流
来年に迫った東京オリンピックの影響もあり、すでに欧米では盛んなスポーツスポンサーシップが数年前から日本でも注目されるようになった。とはいえ、その多くはスタジアムなどに企業名を露出することがメインで、欧米のように「自社の課題解決策」としてうまくアクティベーションに落とし込んでいる成功事例はまだ少ない。
SDGs(持続可能な開発目標)への世界的な関心の高まりによって、最近の欧米のスポーツスポンサーシップには社会貢献的要素が含まれるケースが増えている。
例えば、メジャーリーグ球団ボストン・レッドソックスのスポンサーであるベビーカーブランド『NUNA』は、自社の商品をプロモーションする際、妊婦や幼児の安心・安全な環境づくりの啓発を伴うアクティベーションを実践している。
こうしたビジネスと社会貢献の“二刀流”によって企業が社会的信頼を獲得することが、スポーツ界に関わらず最近のスポンサーシップのトレンドとなっている。
東京ドームがオレンジ一色に染まった理由
9月12日、東京ドームがオレンジ色に染まった。
(オレンジを基調カラーとする)読売ジャイアンツの試合ではない。
北海道日本ハムファイターズ対東北楽天ゴールデンイーグルスの一戦。そのイニング間、スタンドの観客が一斉にオレンジのフラッグをかざした。
これは、ファイターズが主催し、SOMPOホールディングスグループがスポンサードした、社会貢献と企業価値の向上を目的とする新しい取り組みだ。