コワーキングスペースは地域や企業をどう変えていくのか。

 新たな“働く場所”として注目される「コワーキングスペース」。その多くは東京都内に立地しているが、近年、地方でもこの形態の施設が増えている。また、大企業も「企業内コワーキングスペース」を設けるなど、新しい組織のあり方として、企業が戦略的に活用しているケースも出ているという。

 そのようなコワーキングスペースの実態について研究してきたのが、國學院大學経済学部の山本健太准教授。研究結果を踏まえて、前回から実際に全国でコワーキングスペース「co-ba」を運営するツクルバ代表取締役CCOの中村真広氏と対談している。

【前回の記事】「『たまたま』と『わざわざ』がつながりと仕事を作る 」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57213

 今回も両者の対談を通じて、都心とは違う「地方のコワーキングスペースの可能性」や「企業における活用」について考えていく。

コワーキングスペースの原点は、「研究室」にあった

ツクルバ代表取締役CCO(チーフ・コミュニティ・オフィサー)の中村真広氏。1984年千葉県生まれ。東京工業大学大学院建築学専攻修了。建築家 塚本由晴氏のもとで学ぶ。不動産デベロッパーの株式会社コスモスイニシアに新卒入社、その後ミュージアムデザイン事務所にて、デジタルデバイスを活用したミュージアム展示や企画展などの空間プロデュースを経験。環境系NPOを経て、2011年8月に株式会社ツクルバを共同創業。代表取締役CCOに就任。デザイン・ビジネス・テクノロジーを掛け合わせた場のデザインを行っている。

山本健太氏(以下、敬称略) 中村さんは、もともと大学院で建築学を専攻されていましたよね。著書も読ませていただきましたが、まさに大学院生らしい研究室生活を送られたようで(笑)。

中村真広氏(以下、敬称略) そうですね。研究室に寝泊まりしていましたし、寝袋が友達でした(笑)。