福島第1原発、全1~6号機で受電準備整う

震災による津波と火災で大被害を受けた宮城県気仙沼市〔AFPBB News

 まずは今回の未曾有の災害に際し、被害に遭われたすべての方々に心からのお見舞いを申し上げたい。

 1000年に1度の地震との話もあるが、とにかく想像を絶する状況であり、すべての人命の救助と避難された方々の十分なケア、それにライフラインの一日も早い復旧を心から願いたい。

 トビリシのほか、米国のカリフォルニアやナッシュビル、カナダのオスロなど各国に住むグルジア人からも見舞いのメールが届いた。グルジア以上に情報量が多いだろうことに加え、自身が在外の場合、余計に他国でも災害など身につまされるのかと思う。

 原発の事故からも目が離せない。被爆国日本は放射能汚染には極めて敏感であるはずだが、想像もできない事態が重なる中、怖いのは応急措置の連続で感覚が麻痺することであろう。

 大変な疲労の中でも冷静に助け合いの精神を発揮することが何より必要であろうと思う。疲労困憊の中、職務に励む皆さんに心からの敬意と連帯の気持ちを表したい。

 ロシア・ソ連関連では、チェルノブイリよりはるか以前に起こった原発事故から学ぼうとロシア人科学者が招かれている話や、1988年にアルメニアで起こった大地震が天災を人災にしてしまったことなど、断片的には今回と関連する事柄で思い出すこともある。

 しかし、自らの経験に照らし合わせれば、「電気のありがたさ」が一番切実に思える。先ほども避難所に電気がようやく通ったニュースを見た。10年以上前のグルジアで経験した「電気の不安定な市民生活」を簡単に記したいと思う。

最高のお土産は「マグライト」

 筆者が暮らした1990年代末のグルジアで、市民生活において最大の問題は電力であった。もちろん、空港などでの役人のゆすりたかりや、日常見聞きする窃盗・強盗の類は堪えたが、用心を重ね、あるいは気を強く持てば跳ね返すこともできた。

 しかし、停電だけはどうにもならないし、本当に参った。何しろ筆者が最初に覚えたグルジア語の1つは「電気が消えた!」と「電気がついた!」であった。これはもちろん、グルジア人が最も口にする言葉であったからである。

 ガスや灯油は行き届かず、最も簡便な電気による暖房が一般的な中、厳寒期に1日数時間しか電気が来なかった。