(姫田 小夏:ジャーナリスト)
東京・池袋の西武百貨店のある婦人服のショップで、鈴のついた商品を見た。手に取った瞬間、「チリン」と鳴る。鈴は、ほとんどの商品につけられていた。「万引き防ぐための対策」だと店員は言う。
東京・銀座でも、婦人服を中心に人気ブランドを取り揃える西銀座デパートで、「万引きは必ず見られています」という注意書きを目にした。食品スーパーやコンビニなどでは万引き防止の注意書きをよく見かけるが、銀座のデパートで見たのは初めてだ。
店員に「万引きが増えているのですか?」と尋ねると、「外国人の方が・・・」と教えてくれた。彼らの万引きはとても素早く、接客をしている一瞬を突いて「あっという間に商品を持ち去って行ってしまう」のだという。
町の商店街の衣料品店も万引きのターゲットだ。試着室のカーテンには頑丈な金属チェーンがかけられていた。容易に入れないようにする仕掛けである。
この5月、東京・目黒の食品スーパーで外国人の男女4人が酒や飲料水を万引きしたと報じられた。都内の食品スーパーでは、「売り場と出口を結ぶ通路に店員を立たせる」など、監視体制を強化する店舗も出始めている。
「外国人犯罪は“横ばい”」の怪
都内の小売店を訪れるたびに「ガードが固くなったな」と感じることが増えた。それだけ万引きが増えているということだろう。