コトルはコトル湾の奥まった静かなところに位置している水上都市です。コトル湾自体が地中海の中でも静かなアドリア海からつながっていて、さらに深い入り江(リアス式海岸)になっています。このため湖のような穏やかな環境で、波が立つのは暴風雨の時ぐらいなのです。

 雨が降っても一日中降り続くことは、ほとんどありません。雨上がりは町がキラキラ輝いて、猫も気分よく散歩を始めます。この町に雨はよく似合います。

 写真の猫は、肌寒く感じると、ショウウィンドーの照明で暖をとる知恵者です。

 大雨が降ると、猫は安全なところに隠れてしまいますが、小雨なら通りで猫に会えます。雨の多い地域なので、この地で暮らす猫は、慣れたものです。

 猫は、世界遺産の風景の中に溶け込むようにたたずんでいます。どこで撮っても絵になります。

 後編はコトルの人たちの猫とのかかわりあいと、「コトル猫伝説」のお話をします。
「黒い山の黒猫」と町を救った猫伝説
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55830

※日本からコトルまでの行き方
 ベオグラード(セルビア)、モスクワ(ロシア)、パリ(フランス)などの都市からモンテネグロの国際空港であるティヴァト(Tivat)空港への直行便があります。空港からコトルまではタクシーで約10分(8km)。

 ドゥブロヴニク(クロアチア)から高速バスで行くこともできます(約2時間、https://getbybus.com/en/bus-dubrovnik-to-kotor)。ただし、途中の国境を通過する際に出入国審査があるので、時間がかかることもあります。コトルのバスターミナルから、コトル旧市街までは徒歩5分。

 ドゥブロヴニクからの日帰り観光ツアーもありますが、猫たちとたくさん出会いたいなら旧市街に宿泊することをお勧めします。