不安定な情勢が続く中東の報道では、しばしばイスラム教の教派の名が出てくる。代表的なのは「スンニ派」と「シーア派」の2つだろう。
スンニ派、シーア派の違いは何か
このシーア派の中にも「イスマーイル派各派(東方派、西方派、アムラート派)」など細かな分派が存在するが、大まかにはこの2つに分けて考えて外れない。
しかし改めて、この「スンニ」「シーア」という違いは何なのだろうか?
例えば同じイスラム過激派組織として知られるものでも「ハマス」はスンニ派、「ヒズボラ」はシーア派に属する・・・などと言っても、これではちっとも見えてこない。
乱暴に言えば「シーア派はペルシャの伝統。それ以外の大半はスンニ派」と見ることもできる。だがそれだけでは何を言っているのかサッパリ分からない。
「スンニは多数派でオーソドックス、シーア派は少数派、キリスト教で言えばカトリックとプロテスタントみたいなもんだよ・・・」
修行僧と呼ばれる「ダルビッシュ」
などという話をする人がいたが、これとてわけが分かったようで、中身は何も言っていない。いったいこの「スンニ」と「シーア」の違いとは何なのか?
とりわけそれらがリアルなパワーゲームにおいて、果たす役割が何が違っているのだろうか?
例えばシーア派にはスンニには存在しないイスラム神秘主義「スーフィズム」の伝統がある。スーフィの修行僧は「ダルビッシュ」とよばれる・・・。
おや、どこかで聞いたような名前だ。