(高野 研一:コーン・フェリー日本共同代表)

 デジタル革命によってビジネスモデルはどう変わるのか?

 そこには7つの方向性がある。

 第1回、第2回で指摘したように、デジタル革命は今後、様々な業界のバリューチェーンを大きく変えていく。バリューチェーンの主たる要素である「製品開発」「販売」「製造」「サービス」「金融」といった機能が、ことごとく変容していくのだ。その方向性を理解できれば、デジタル革命後のビジネスモデルは、いかようにでも考えられるようになる。今回は、その7つの方向性について解説したい。

◎「日本の活路を開くデジタル革命」バックナンバー
(第1回)「産業革命に追いついた日本、デジタル革命でも再び」

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55315
(第2回)「日本企業が『デジタル破壊』から身を守る唯一の方法」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55463

【1】「製品開発(ものづくり)」から「コミュニティ開発(場づくり)」へ

 産業革命は「もの」が価値を生む時代をもたらした。デジタル革命は、世界中の人たちがリアルタイムでつながり、その上に形成された「コミュニティ」や「場」が価値を生む時代へと変わっていく。「何か面白いことない?」といった漠然としたニーズを満たしてくれるのは、もはや「もの」ではない。同じことに関心を持つ人々が集まるコミュニティなのだ。

 フェイスブックやインスタグラムなどを見れば、「もの」から「場」へのパワーシフトが鮮明に浮かび上がってくるだろう。

【2】「製品開発」から「プラットフォーム開発」へ

 デジタル革命によって、製品の売り切り型モデルから、製品をプラットフォームとして顧客とつながるモデルへと変化していく。「スマート○○」とか「プロダクト・アズ・ア・サービス」と言われるビジネスモデルがそれだ。