JBpressでは2019年3月1日(金)、企業経営者や経営企画、事業開発、マーケティング部門の責任者・管理職の方々を主な対象としたイベント「Digital & Innovation Forum 2019 <春>」を開催する。2018年は“デジタル変革元年”として各界で位置付けられたが、2019年は早くも“成果が問われる年”と言われており、本イベントの壇上には、デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)をいち早く実行している企業や、DX推進を支援する企業のキーパーソンが集結。現況と課題と展望を発信していく予定だ。そこで、3月1日に展開されるであろう議論の内容と、今の日本のDX事情について、当日パネルディスカッションのモデレーターを務めるCDO Club Japan代表の加茂純氏に話を聞いた。
※「Digital & Innovation Forum 2019 <春>」は好評につき、参加登録を締め切りました。
世界最先端の米国はサードフェーズに到達
急がなければ日本は置いていかれる
今やビジネス系のメディアで「変革」という言葉が登場しない日はない。そしてそこには必ず「デジタル」というワードが付いてまわる。あらゆる企業が変革を迫られており、その鍵を握るのが「デジタル」なのは間違いないだろう。だが、AI、IoT、ビッグデータ、ロボティクスなどのデジタル技術の活用はいまだ手探りの状況。2018年はチャレンジを始めただけで話題となったが、2019年の今は様相が異なる。成果が問われ始めているのはもちろんのこと、解決しなければならない課題も浮き彫りになってきた。だが、加茂氏は言う。「その前にまず、私たち日本の現在地をしっかり確認しておきましょう」と。
「世界でどこよりも早くDXへの取り組みを本格化させたのは米国です。先進的な事業会社がDXのための部隊を編成したり、そのリーダー役であるCDO(Chief Digital Officer)を立てるようになったのは5年前。つまりグローバル競争の先頭を行く米国のDXは今年で6年目を迎えたのですが、ちまたでは『やっとサードフェーズに入ることができた』と言われています。では日本はどうかというと、取り組み開始からせいぜい2〜3年程度。どこよりも早く動き出した企業でさえ、ようやくセカンドフェーズに手が届いた状況だと、私は捉えています」
加茂氏は以前のインタビュー(デジタルの担い手「CDO」が企業の存亡を決する時代へ)でも指摘していたように、「日本のDXはまだまだ世界から遅れを取っている」と言う。気になるのはフェーズについて。DXが真に効力を発揮するまでの過程を示していることは分かるが、各段階の違いとは何なのか。