テーマパークのサンリオピューロランドは、来場者がSNSで発信する情報などを即時に得ることで、施策のスピード化を図り、業績の向上につなげている。サンリオエンターテイメントでサンリオピューロランド館長とCDOを兼務する小巻亜矢取締役に、エンターテインメント業界ならではのデジタルツールの活用法をCDO Club Japan理事の鍋島勢理氏が聞いた。(JBpress)

――小巻さんはピューロランド館長という大変重要な役職でありながら、デジタル分野における経営陣コミュニティ「CDO Club Japan」の会員にもなっていただいています。

 最初お誘いいただいたとき「私はデジタル畑ではないので」と躊躇しました。ただ、加茂代表より「デジタルの必要性を理解し、社内で推進できる立場の方に参加いただいている」との説明を伺い、今は社外のネットワークも必須だと感じたため、参加させていただくようになりました。

 私が顧問という形でピューロランドにかかわるようになったのは2014年6月からですが(2016年に館長に就任)、そのころから情報システムが大きく変わりましたね。端的に言えば“デジタル化”ということですが、具体的にはピューロランドでやっていることをみなさまに知っていただくプロモーションの部分が一番大きく変わりました。

 どういうお客さまがどういうチケットを買って来場されて、SNSでどういう発信をしているか。いろいろなデータが入ってきます。デジタル化が進む前はアンケートをとるなどの方法でデータを分析していました。ただ、自分たちでもうすうす感じていたこと裏付けるような分析結果が数カ月後に出てくる、という感じのものでした。

 ところがデジタル化によって、どんなお客さまの層がどれぐらい来ていて、どういう行動をしている、ということが本当に即時にわかるようになりました。ということはすぐに手を打てるということです。これは反応が今ひとつだった、じゃ次はこうしよう。これは反応が良かった、何が要因だろう。そういうマーケティングオートメーションによって施策のスピード化が図れたというのが、すごく大きいと思います。