皆さん、平成に新たに登場して流通、定着した硬貨が一種類もないという事実にお気づきですか?
記念硬貨とかは別ですよ。
10円玉とか100円玉、普通に財布に入っているお金は、すべてモデルとして昭和に登場したものです。
「平成構造不況」などと言われる一断面が、ここから見えるように思うのです。
デジタル化の波?
平成の30年間は日本経済にとっては停滞の30年間でした。GDP(国内総生産)は横這いを続け、グローバルなデジタル化の波に我が国は完全に乗り遅れました。
それを象徴するような出来事でありながら、あまり指摘されない事実の一つとして、コインが挙げられる気がします。
私たちが見慣れている10円玉も100円玉も、すべて「昭和」の意匠なんですね。
一番新参の500円硬貨が登場したのは私がティーンの頃でしたがすでに37年ほど経過しています。1985年の「プラザ合意」以降の日本に、新しい硬貨は登場していないという指摘もできそうです。
本題はコインですが、まず最初に「お札」から考えてみましょう。
現在私たちが使用している「お金」のうち、お札については平成年間にいくつかの改訂がありました。
最初は平成11(1999)年に発案された「二千円紙幣」の発行で、西暦2000年にあやかって考えられたものですが、率直に言ってアイデア倒れの感が否めません。
自販機その他のシステムで認識されないケースが多く、何とか流通している状態のお金です。