トランプ氏、「今後も100%NATOと共に」 加盟国に負担増要求も

ドナルド・トランプ米大統領。トランプ関連報道には用心が必要だ。(c)Timothy A. CLARY / AFP〔AFPBB News

(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

「トランプ大統領が元顧問弁護士に議会での偽証を指示した」という衝撃的なニュースがワシントンの国政を揺るがせた。米国の各メディアがロシア疑惑の新展開として大々的に報じ、日本の主要メディアも「大統領の偽証命令」として報道した。ところが、すぐにこのニュースはフェイクニュース(偽ニュース)であることが判明した。

 一体どういうことだったのか。

後を追った朝日、報道の根拠は?

 1月19日付「朝日新聞」夕刊に以下の記事が載った。「トランプ氏、元顧問弁護士に偽証指示か」という見出しだった。袖(そで)見出し(主見出しの横の小さな見出し)は「ロシア疑惑 元顧問弁護士に」と書かれていた。

 ワシントンの杉山正記者が発信したこの記事の冒頭には、以下の記述があった。

「モスクワでの『トランプタワー』建設事業計画を巡り、トランプ米大統領が元顧問弁護士マイケル・コーエン氏に議会で偽証をするように指示したと、米ニュースサイトのバズフィードが17日、複数の捜査関係者の話として伝えた。事実ならば、弾劾(だんがい)訴追の根拠になる偽証教唆や司法妨害の罪にあたる可能性があり、野党民主党は18日、調査に乗り出す方針を示した」

 記事にもあるように、事実ならば重大事態である。大統領が腹心だった弁護士に議会での公式の証言でウソをつけと命じた、というのだ。まさに偽証教唆、司法妨害の罪となる。トランプ大統領がいよいよ弾劾の手続きにさらされ、窮地に追い込まれることは必至である。