(佐藤 けんいち:著述家・経営コンサルタント、ケン・マネジメント代表)
前回のコラム(「2019年の目標、『百人一首』を丸暗記してみよう!」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55093)では、日本人としての「教養」を身につける方法として、「百人一首の丸暗記」を推奨した。今回は、前回の「丸暗記」の続きとして、先人たちの学びを振り返りながら、効果的な語学学習法について考えてみたいと思う。いずれも「急がば回れ」の方法論だが、その効果は少なくとも私自身が実証済みだ。
何事もアウトプットが大切なことは確かだが、英語に限らず語学学習においては、アウトプットするためにはまずインプットが大前提となる。これは語学学習に限らず、ほぼすべての分野にあてはまる。
基本は文章の丸暗記
英語学習は大きくわければ、英単語、英文法、英文解釈、英作文の4つに分解できるだろう。いずれにせよインプットが必要不可欠の前提となるが、個別のパーツの話に入る前に、私の英語学習法全般について書いておこう。
その前に、まず断っておかなくてはならないが、小学生から学習が始まる現在と違って、私の世代は、英語は中学校に入ってから初めて学び始めたということだ。音声については早いほうがいいかもしれないが、それ以外の要素に関しては、まずは母語である日本語をきちんと確立してからにしたほうがいいと考えている。帰国子女などを除いては、普通の日本人はバイリンガル幻想など捨てたほうがいい。
私の英語学習法は、試験前に学校の教科書(!)を繰り返し何度も声に出して朗読して、文章をそのまま暗誦できるまで、丸ごと覚えてしまうものであった。つまり「丸暗記」である。