こうしてトランプ政権は、B-52爆撃機の南シナ海飛行に引き続いて、ミサイル駆逐艦「ディケーター」を南シナ海に派遣したのである。
米艦艦首40メートルに中国艦が接近
そして、事件が発生した。
南沙諸島に中国が建設した7の人工島の1つ、ガベン礁の沿岸12海里内海域をディケーターが航行していると、中国駆逐艦(10月1日現在、艦名は明らかにされていない)が「中国領海から直ちに立ち去るように」といった警告を発しながらディケーターに急速接近してきた。
警告を繰り返し発しつつ危険な動きをする中国駆逐艦は、ディケーターの艦首前方およそ40メートルという超至近距離を横切る「極めて危険」な行動に出た。そのためディケーターは緊急回避行動を取らなければならなかった。このように、米軍艦は危うく中国軍艦との衝突を避けることができたのだ。
太平洋艦隊司令部は「中国軍艦は、信じられないほどアグレッシブな妨害行動に出てきており、極めて危険な状況に直面する可能性は今後ますます高まるであろう。しかしながらアメリカ軍は、国際法が許容している範囲内であれば、今後も引き続き航空機を飛行させ、軍艦を航行させ、国際海洋法秩序の維持に努める」との意向を表明している。