トランプ氏、強気の国連演説 イラン孤立化要求、北朝鮮を称賛

米ニューヨークにある国連本部での国連総会で演説するドナルド・トランプ米大統領(2018年9月25日撮影)。(c)Nicholas Kamm / AFP〔AFPBB News

 2018年6月12日の米朝首脳会談の合意文書では、かねて米側が要求してきた、CVID(完全かつ検証可能で不可逆な非核化)は盛り込まれなかった。

 「朝鮮半島の完全な非核化」に向けて北朝鮮が「努力する」ことを約束し、その見返りとして、「北朝鮮の体制の安全を保証する」ことが約束された。

 しかし米朝首脳会談後の経過を見ても、核実験場の爆破、長距離ミサイル発射施設の一部撤去、朝鮮戦争時の米兵の遺骨返還などは行われたものの、いずれも象徴的なものに過ぎない。

 2018年9月の南北首脳会談でも、北朝鮮側の非核化に向けた実質的な行動は見られないまま、南北間の軍事的緊張緩和措置や経済協力が先行して合意に達している。

トランプ大統領の真意とは何か

 しかしその合意をドナルド・トランプ大統領は高く評価している。トランプ大統領の真意は何だろうか?

 そのなぞを解くカギは、日韓核武装容認への大転換にある。

 北朝鮮が水爆と自称する6回目の核実験に成功した2017年9月の時点で、米トランプ政権は、重大な核抑止戦略の転換を決断したのではないかとみられる。

 すなわち、日韓の核保有容認への転換である。

 米韓の間では原子力潜水艦導入について、北朝鮮の6度目の核実験直後の2017年9月に行われた電話による米韓首脳会談で「原則的な合意があった」。

 その翌月の10月上旬、北朝鮮当局者が、米共和党当局者に北朝鮮外務省との会談を8回も提案したことが明らかになっている(米カーネギー国際平和財団ダグラス・パール副会長インタビュー、『産経新聞』2017年12月4日)。