急成長中の中国からはいろんな人が現れる。最近のびっくりは陳光標(Chen Guangbiao)なる人物だろう。
通りがかりの人たちに14億円をばらまいた中国の富豪
こなた日本の伊達直人はあくまで匿名に徹しそのことを喜んでいるふうだけれど、あなた中国の陳光標は巨富をせっせとばらまいて、その派手なことといったら。
中国で慈善家として既に盛名を欲しいままにしていたこの人は、1月26日、金持ち仲間を50人(90人との報もあり)ほど従えて台湾へ渡り、一大寄付イベントを敢行したり、通りがかりの貧乏そうな女をつかまえてはキャッシュを掴ませたりした。
その額、実に14億円強!
奥ゆかしい人らしく、裸で渡してもいいところ、あえて赤い封筒に入れ金一封にしたらしい。中国や一部アジアでこういう場合に使うのだというその赤い封筒が、糊で封をしてあったか、すぐ口が開けられるようになっていたかまでは、報道からは窺えない。
その額がいくらくらいだったとか、ビル・ゲイツに挑戦を挑んでいる話だとかはすぐ後で触れるけれど、台湾でこの人、衝撃的なことを言った。
台湾と中国本土を結ぶトンネルを造る
自分のカネすべてを捧げ、大陸中国と台湾を結ぶトンネルを造る。造ってそこに新幹線を走らせる。中国の金満家有志たちよ、我に倣って寄付の隊列に入れ――と、そんな(少しパラフレイズして言うと)ことを呼びかけたのである。
3つ、連想させられる。
本当にトンネルができたとしたら?
どこまでが彼個人の発意なのか。背後に北京の思惑などないのか?
いったいぜんたい、そんな巨富を可能にする徴税制度ないしその不在は、台湾海峡にトンネルを掘るより前になんとかしないといけないことではないのだろうか?