2018年6月、金融庁が公表した資料によれば、銀行で投資信託を買った顧客のうち、なんと46%もの人が運用損失を出しているという。顧客の利益よりも、自社の利益を優先するケースも見られたこれまでの金融業界。
こうした現状に対し、個々の信用力を武器に資産運用のアドバイスを行う、独立系のファイナンシャル・アドバイザー「IFA」(インディペンデント・ファイナンシャル・アドバイザー)が注目されている。
アメリカではすでに市民権を得ているIFAが、日本でも活躍の場を広め始めているのだ。この夏、IFAをテーマにしたイベント「日本IFAフォーラム」が開催された。その内容をレポートする。
共通KPIでリターンやリスクの見える化を推進する金融庁
2018年7月27日に行われた日本IFAフォーラムは、主催者である金融マーケティング会社「想研」の代表取締役、斎藤順子氏の挨拶から始まった。
「AIやビッグデータ、IoTなどが発展し、金融においても、より個人に最適化した“マスカスタマイゼーション”の動きが出てきています。資産形成や管理において、個人のニーズにぴったりなものを求められる時代になってきているのです」