ここ数日、日本専門医機構(以下、機構)の内部資料が流出し続けている。ネット上でも広がっている「速記録」をご存知の読者も多いだろう。
「新専門医制度」反対派として(全国的に悪目立ちしている)筆者にも、その速記録とともに他の「複数の資料」が送られてきた。
それらには速記録以外にも多数のデータファイルがあった。そこには世に出ていない多数の真実と疑惑が満載であった。
とにかく世に出したい事実がたくさんあるのだが、本稿ではひとまず機構の隠蔽体質と情報操作に関する最も重要な疑惑を検証したい。
「機構が東京都の専攻医募数の上限規制(シーリングと称する)に用いた『過去5年の各診療科の希望者数(採用数)平均数データ』は(機構、または内部の人間によって)改竄されていた可能性が極めて高い」という疑惑である。
さて、筆者が入手した資料を引用しながら説明してみよう。
平成29年度第四回合同PG委員会(H29.12.7)速記録より
●坂本先生(眼科領域):眼科の坂本でございます。昨年の登録者が341で今年は324ですから、一応規定内と考えておりましたが、都市部のシーリングに関して私どもは登録の定員と考えておりましたが、過去5年ということで、東京で約20名、愛知で10名、福岡で4名オーバーしておりまして、昨日厚生労働省の武井課長に呼び出されまして懇切丁寧な指導いただきましたので、日曜日の夕方までに調整して、月曜の朝一番で直して出すつもりです。ですから、必ず規定内に入れます。
(原文ママ)
坂本氏が示した数字は一次登録の志望者数であり、東京都は77人だった。そして機構がこの時点で持っていた内部資料によると、過去5年平均の東京都眼科採用者数は58人であった(2017/11/17付)。
従って、東京都の眼科志望者数は19人ほどシーリングを上回ったことになる。坂本氏の発言とも一致する。そのため坂本氏は「厚生労働省の武井課長」に呼び出され、指導を受けたのだ。