DBIC(デジタルビジネス・イノベーションセンター)代表の横塚裕志氏(左)と永和システムマネジメント社長の平鍋健児氏

 日本の大手企業がデジタルディスラプターの猛攻にさらされている。デジタルディスラプターとは、IoTやAI、ロボティクスといった最先端のデジタル技術を活用して既存のビジネスを改革、もしくは破壊してしまうテクノロジー企業のことである。加速するデジタルトランスフォーメーション(DX)の流れの中で、既存の大手企業は存亡の危機にあると言っても過言ではない。

 では、大手企業はデジタルディスラプターの脅威にどのようにして立ち向かえばいいのか。その道筋を探り、戦略のヒントを提示すべく、JBpressは2018年6月20日・22日に、「Digital Innovation Leadership ~デジタル変革で飛躍する組織戦略~」というセミナーを開催する。本セミナーでは、経営者や新規事業のキーパーソンに向けて、デジタルイノベーションを実現する最新の理論や先進企業の取り組みを紹介する。

 セミナーの開催を前に、登壇者であるDBIC(デジタルビジネス・イノベーションセンター)代表の横塚裕志氏(元東京海上日動CIO)、およびアジャイル開発手法の普及活動を行っている永和システムマネジメント社長の平鍋健児氏に、日本の既存大手企業の課題と、とるべき対策を語ってもらった。

破壊される従来のビジネスモデル

──デジタルトランスフォーメーションが進展する中、既存の大手企業が置かれている状況をどう捉えていますか。

横塚裕志氏(以下、敬称略) 一言で言えば、個々の企業のみならず業界そのものが破壊されそうだということです。例えば、非常に厳しい状況に追い込まれているのが銀行です。低金利化とフィンテックの進展によって、メガバンクが大幅に店舗を閉鎖したり、1万人規模の人員を削減せざるを得なくなっている。預金と融資の利ザヤで稼ぐという従来のビジネスモデルを変えていかないと生き延びていくのは難しいでしょう。