板門店の一日、南北首脳会談を写真で振り返る

軍事境界線上の板門店で、南北首脳会談に臨む韓国の文在寅大統領(右)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(2018年4月27日撮影)。(c)AFP PHOTO /Korea Summit Press Pool 〔AFPBB News

 韓国と北朝鮮の両首脳による南北会談が終わり、朝鮮半島をめぐる激動の行方はもっぱら米朝首脳会談に焦点が絞られてきた。米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談はここ数週間内に開かれることが確実視されている。

 だが、果たして米朝首脳会談は米側の求める北朝鮮の核兵器放棄という合意を生み出すことができるのか? 会談が失敗や不調に終わった場合、なにが起きるのか、米国のベテラン朝鮮問題専門家のラリー・ニクシュ氏に見通しを尋ねてみた。

席を蹴って退場するかもしれないトランプ大統領

 ニクシュ氏は、最悪シナリオとして、北朝鮮が米国や日本を威嚇する形で核とミサイルの開発をさらに進め、イランなどへの核・ミサイル売却もありうると予測する。一方で米国は北の核の拠点に対する限定的な軍事攻撃に一段と傾くだろうと述べた。

 4月27日に韓国の文在寅大統領と会談した北朝鮮の金正恩委員長は、これまでの軍事強硬姿勢を一転させ、もっぱら融和や友好の態度を示した。しかし肝心の北朝鮮の核兵器や長距離弾道ミサイルについてはなにも触れなかった。長文の「板門店宣言」でも単に「朝鮮半島の非核化」という記述を入れただけで、その具体的な実現方法は明らかにしていない。この結果は、北朝鮮の非核化という最大の課題を米朝首脳会談へ先送りしたことを示している。