「現在、参画企業は首都圏を中心に全国で約100社200ブランド400~500店舗くらいあります。1ブランドで60~70店舗をもつ大手から1店舗のみのセレクトショップまで様々です。相談の方は、多い日で100件以上寄せられています。相談1件に対して回答(=店舗からの提案)は、概ね24時間以内に平均5~7件ほどあり、多過ぎず少な過ぎずの選びやすい回答数だと思います」
海外ブランドを含め、ユーザーがその存在すら知らなかった未知のブランドと出逢い、熱心なファンになるケースもあるという。
(注1)O2O:オンラインとオフラインの購買活動の連携、もしくはオンラインでの活動が実店舗での購買に影響を及ぼすことを指す。
日本のアパレルが抱えていた課題とは
小関氏がスタイラーを創業したのは2015年3月。現在は東京都渋谷区に本社を構え、国内スタッフ20人、ほかに台湾(台北)8人、ベトナム(ホーチミン)10人という体制だ。国内のアパレル業界で存在感を高める一方、創業からわずか3年ながら、すでにアジアを中心とした海外戦略を推進している。

同社創業に至った問題意識を小関氏はこう語る。
「私は日本と英国のメガバンク勤務を経て、Amazonで働いたのですが、ユーザーがネットで購入するものは、スペックが明確な日用品が中心になりがちで、いきおい低価格志向になってしまうことを痛感しました。アパレルであればファストファッションなどですね。
一方、約9兆円、宝飾・バッグ・革小物を含めると約18兆円の規模がある日本のアパレル市場は、ラグジュアリ(LVMHほか)、アッパーミドル(日本アパレルの主力ブランドほか)、ローワーミドル(ファストファッションなど)、ロー(新興国の現地格安衣料)の4階層からなるのですが、中でもアッパーミドルの分厚さが特徴となっています。