「店に行っても買いたいと思える洋服がない」
もう何年も前から、こういう嘆きをよく耳にするし、筆者も同感だ。
アパレル不況が深刻化し、国内アパレル各社は、海外ブランドとのライセンス契約を次々に打ち切る一方、国内ブランドに関しても積極的な投資は控え、定番物中心の“守り”の品ぞろえになっている。そうなると、実店舗を訪れても、「あえて今買いたいと思う洋服はない」という状況になりがちだ。それどころか、暇そうにしているお店のスタッフに「ここぞ!」とばかりに張り付かれ、ほうほうの体で退散することになる。
そうかと言って、新しいブランドを試そうとしても、どこに行けば自分の好みに合った商品があるのか分からない。ネットで探そうとしても、自分の「好み」に関する微妙なニュアンスを検索エンジンにかけるのは難しく、「ネットで買えるのはやっぱりファストファッションなど低価格の日用品だけ」という気分になってしまう。そして結局は、昔買ったお気に入りの洋服を着回すことになる。
ところが、ユーザーのこうしたモヤモヤを一挙に解消してくれるサービスが元銀行マンの手によって開発・実用化され大きな話題となっている。果たして、どのようなサービスなのか、その開発者であるスタイラー(東京都渋谷区)創業経営者、小関翼氏(35)にお話を伺った。