「All of us, together, as one team, one people, and one American family」
1月30日、ドナルド・トランプ大統領が一般教書演説(State of the Union Address)を行い、米国の団結を語った。
その一方で、子供時代に連れられ不法入国した約80万人とも言われる若者「ドリーマー」の、強制送還免除政策「Deferred Action for Childhood Arrival(DACA)」撤廃方針への譲歩は示さなかった。
DACAについては、1月11日、その変更についての超党派協議の場で、ハイチやアフリカ諸国を「Shithole」(「不潔で不快にさせる所」を意味するスラング)と侮蔑したとの大統領の発言が物議をかもしている。
大統領の人種差別発言
大統領は発言を否定するが、その場に居合わせたディック・ダービン上院議員は発言があった旨、証言しており、アフリカ連合(AU)、全米黒人地位向上協会(NAACP)など、批判の声が上がった。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)報道官も「発言が事実なら恥ずべきこと。残念ながら人種差別主義者以外の何ものでもない」と語っている。
フランス北部の港町ル・アーヴル
ものものしい警備のなか、ガボンから着いた不審なコンテナの捜索が始まる。中から少年が逃げ出し、「保護」しようと追う地元警察。海に隠れた少年を見かけた初老の男マルセルは、海辺にそっと食べ物を置き、立ち去った。
靴みがきの収入で細々と、しかし、愛する妻との幸せな生活を送るマルセルは、やがて、少年を家にかくまうようになる。
近所の人々も協力、母親が暮らすロンドンに渡りたいという少年の望みをかなえようと奔走するが、密告する者もいて、警察の執拗な捜索は続く・・・。
フィンランド人監督アキ・カウリスマキがその独特のユーモアを交え移民問題を描く『ル・アーヴルの靴みがき』(2011)の主人公たちへの視線は温かい。そして、彼らにも幸せを運ぶ筋立ては、現実の厳しさへの痛烈な批判でもある。
世界的に評価も高く、カンヌ国際映画祭でもプレミアム上映されたこの作品では、さらなる名脇役も目をひく。