米マサチューセッツ州ボストンにあるホールフーズ・マーケットの店舗(2016年4月)。 Photo by Marco Verch, under CC BY 2.0.

 米アマゾン・ドットコムは昨年(2017年)、米国の高級スーパーマーケットチェーン「ホールフーズ・マーケット(Whole Foods Market)」を買収したが、米ウォールストリート・ジャーナルがこのほど伝えたところによると、その効果がアマゾンの業績に表れ始めたという。

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AmazonFreshの売上高が35%増

 アマゾンが、ホールフーズ・マーケットの買収手続きを完了したのは、昨年8月末。eコマースの販売分析を手がける米ワンクリックリテールのレポートによると、翌9月からの4カ月間における、生鮮食料品ネット販売事業「AmazonFresh」の米国売上高は、1億3500万ドルに達し、1年前の実績から35%増加した。

 買収後、アマゾンは「365 Everyday Value」というホールフーズの自然食品PBを、ネットで販売し始めた。こうした施策が、AmazonFreshの売上高を押し上げたものと考えられる。

まだ規模が小さい、食品ネット販売市場

 アマゾンは、2007年からAmazonFreshを展開している。しかし米投資会社のコーエン・アンド・カンパニーによると、アマゾンの米国における食料品の年間売上高は87億ドル程度で、8000億ドル規模と言われる米国食料品市場の約1%にとどまる。

 ただ、米国における食料品のネット販売額を見ても、同国食料品市場全体の4%にとどまる。食料品は、アマゾンに限らず、いまだネット販売が弱い分野だ(ドイツ・スタティスタのインフォグラフィックス)。