以前、日本における上流~下流の開発工程の区分、それぞれの内容は、欧米の考え方とは違うという話をした。今回は、システム開発技術者の役割に関する誤解について話したいと思う。

 まずは、下の図を参照いただきたい。

プロフェッショナルへのキャリアパスイメージ(「ITIフォーラム2010 in TOKYO」の資料より)

システム開発を担う5つの配役

 システム開発に参加する技術者は、配役が決まっている。一般的な開発の例でいくと、以下の(1)~(5)が主要な配役である。

(1)開発スペシャリスト

 実際のシステム開発工程に従い、構築をしていく。プログラマー(PG)からスタートし、実務を積むとSEになる。

(2)運用スペシャリスト

 構築後のシステム運用を担当する。トラブルやエラーが起きた場合は、システム上の瑕疵なのか、要件変更が必要なのかを判断し、解決策の実行に移す。

(3)プロジェクトマネジャー

 プロジェクトの実務責任者。開発スペシャリスト、運用スペシャリストを経て、プロジェクトの現場リーダーを経験し、ITアーキテクトとして知識・情報を得た上で、プロジェクトマネジャーになる。