弱冠34歳ながら、すでに10年以上にわたり中小・ベンチャー企業の業績向上に貢献してきた女性がいる。大手監査法人勤務を経て独立。独創的な経営哲学にもとづく支援で、倒産寸前企業に“V字回復”をもたらすなど、彼女に感謝する経営者は少なくない。
また、彼女は、ヨガインストラクター、ファッションデザイナーとしても活動し、さらに今年(2017年)9月にはアジア初となるアガベスピリッツ(メキシコの植物「アガベ」を原料としたお酒)専門店「AGAVERIA」を都内にオープンした。多彩な活躍を見せるその女性は、中村友香氏。
公認会計士による経営支援と聞くと、圧倒的な知識量を背景にしたデータ重視のコンサルティングを想像するが、彼女はあっさり否定する。
「これは断言できますが、経営支援では知識の99%はムダです。1980~90年代くらいから欧米の経営論が本格的に日本に入り、知識偏重、“目に見えるデータ”偏重へとシフトしたことで多くの日本企業が低迷するようになったと私は見ています。
知識/データはいずれAIに取って換わられるでしょう。その一方、どんなに時代が変わっても経営のエンジンになり得るのは“智慧”だと私は思います」
日本は世界でも他に類例を見ないほど老舗企業の多い国だが、彼らが数百年あるいはそれ以上にわたって厳しい環境変化を乗り越えてこられたのは、“智慧”を生みだす力があったからだと中村氏は語る。