京都府・美山町にある「かやぶきの里」。京都を訪れる台湾人に大人気だという

 日本政府観光局の発表によると、2016年の国別訪日外国人数の上位5カ国は次のようになる。1位:中国(637万3564人)、2位:韓国(509万302人)、3位:台湾(416万7512人)、4位:香港(183万9193人)、5位:米国(124万2719人)。

 しかし、データも見方を変えると違った景色が見えてくる。訪日外国人数の総人口比で見てみると、中国本土(簡体字中国語圏)0.5%、韓国10%に対して、台湾・香港(繁体字中国語圏)は実に20%に達する。しかも、台湾・香港人の訪日リピート率は80%に達している。

 今や“世界1の日本通”と言われる台湾・香港人であるが、彼らを日本にとっての“インバウンド最上顧客”にした最大の功労者と言われるのが、台湾No.1の訪日観光情報サイト「ラーチーゴー!日本」などを運営する「ジーリーメディアグループ(吉日媒體集團)」代表取締役の吉田晧一氏(35)である。

「ジーリーメディアグループ(吉日媒體集團)」代表取締役の吉田晧一氏(写真提供:ジーリーメディアグループ、以下同)

台湾・香港をインバウンド最上顧客にした日本人起業家

 吉田氏は、防衛大学校を経て慶應義塾大学経済学部卒業後、大阪の朝日放送に入社。3年間、テレビCMの企画・セールスを担当し、2013年、ジーリーメディアグループ(本社:台北&東京)を創業した。

 それにしてもなぜアジア、それも台湾なのか?