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北朝鮮問題「必要なのは対話ではない」 安倍首相が国連演説

米ニューヨークの国連本部で開かれた第72回国連総会で演説する安倍晋三首相(2017年9月20日撮影)。(c)AFP/TIMOTHY A. CLARY 〔AFPBB News

(文:フォーサイト編集部)

 今年5月3日に安倍晋三首相が公表した、自衛隊の存在を憲法に明記するという「9条加憲」案は、憲法改正論議に一石を投じた。

 当初は2020年の改正憲法施行を目指して、今秋の臨時国会で改憲案の審議を始める、というスケジュールが想定されていた。が、「モリ・カケ問題」で内閣支持率が下降するとそれも白紙になった。

 そこに突然降って沸いた臨時国会冒頭解散。10月10日公示で幕を切った衆議院議員選挙の論戦で主要争点になるかと思われたが、結局、投開票が明日22日に迫ったこの時点まで、本格的に議論されないままだ。せめて有権者にとって「政権選択」判断のよすがになればと、敢えてこのタイミングで論点整理をしてみたい。

本質に迫っていない各党の公約

 そもそも各党の公約やマニフェストでは、憲法9条改正問題についていずれも抽象的な文言を並べるにとどまり、9条問題の本質に迫るものはない。

 まず自民党。「国民の幅広い理解を得て、憲法改正を目指します」と記すものの、9条に関しては「自衛隊の明記」と記載するのみ。連立を組む公明党は、憲法9条1項2項は「今後とも堅持」するとし、自衛隊の存在を憲法に明記するという提案については「多くの国民は現在の自衛隊の活動を支持しており、憲法違反の存在とは考えていません」と否定的だ。

 小池百合子東京都知事率いる希望の党は、「自衛隊の存在は国民に高く評価されており、これを憲法に位置づけることについては、国民の理解が得られるかどうかを見極めた上で判断する」とのみで、日本維新の会は、憲法改正の項目で9条について触れていない。

 一方、枝野幸男元官房長官が代表を務めるリベラル勢力の立憲民主党は、「専守防衛を逸脱し、立憲主義を破壊する、安保法制を前提とした憲法9条の改悪に反対」を主張しているが、自衛隊については「専守防衛を軸とする現実的な安全保障政策を推進」という立場。共産党や社民党もほぼ同様で、共産党は自衛隊の存在根拠について明確にせず、社民党は「自衛隊の予算や活動を『専守防衛』の水準に引き戻します」と、自衛隊の存在自体は否定しない。

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