当分ウィキリークス関連の話題は「封印」しようと思ったのだが、またまた面白い記事を見つけてしまった。今回は胡錦濤総書記の後継者に事実上決まった習近平国家副主席の素顔に関する在北京・米国大使館発電報についてご紹介したい。

 この電報、元々はドイツの週刊誌「シュピーゲル」が報じたものだが、なぜかウィキリークスのサイトに原文はない。

 探し方が悪いのかもしれないが、もしかしたら情報源の特定を恐れていまだ掲載していない可能性もある。(文中敬称略)

習近平のイメージ

中国の次期主席はハリウッド映画がお好き、ウィキリークス

習近平・国家副主席〔AFPBB News

 既にいくつか日本語の書籍も出版されているが、習近平について日本では様々な評価があるようだ。

 一般には「幹部の子弟ながら庶民派」「おおらかな性格」「リベラル」「苦労人」「寡黙で慎重」「政治感覚は鋭い」「官僚の腐敗に厳しい」「政治的にも経済的にも開放的」といった好意的な分析が多いようだ。

 これに対し、一部には「凡庸」「小心者」「頭が悪い」「曾慶紅の傀儡」「保守派で対外強硬派」「ウルムチ騒乱事件では武力鎮圧を主張」などといった否定的評価も少なくない。

 一体どちらが本当の習近平なのだろうか。

学生時代から野心家?

 冒頭ご紹介したシュピーゲル記事のヘッドラインは「紅より赤い(Redder than Red)」である。意訳すれば「共産党より共産党的」といった意味だろうか。まずは同記事が引用する在北京米国大使館情報提供者の発言をご紹介しよう。

 ちなみに、この情報提供者は「習近平に近い」共産党関係者とされているが、以下の発言内容から見ても、かなり若い頃から習近平と身近に接してきた「太子党」仲間の1人ではないかと推測される。