米アップルがiPhoneの2017年モデルである「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」「iPhone X」を発表したのは、9月12日。そして、このうち従来モデルとデザインが同じiPhone 8と同8 Plusは、9月22日に販売が始まった。
一方で、デザインを変更し、新たにOLED(有機EL)ディスプレーや、顔認証機能「Face ID」を搭載した、最高級のiPhone Xは、まだ発売されておらず、これらが登場するのは、iPhone 8の発売から6週間後の11月3日となる。
盛り上がりに欠けたiPhone 8の初日販売
果たして、アップルはこれらの新モデルで、かつてのようにiPhoneの販売を伸ばせるのかと多くがその販売状況を見守っているが、これまでのところ、新モデルは例年のように「飛ぶように売れている」という状況ではない。
米ウォールストリート・ジャーナルがiPhone 8の発売日に掲載した記事によると、その初日販売は、盛り上がりに欠けるものだった。
ただ、こうした活気のないiPhone 8の販売状況は、Phone Xに対する購買意欲が高まっていることを意味すると、考えるアナリストもいると同紙は伝えている。
世界最大の市場では地場メーカーが台頭
いずれにしても、アップルはこれらの2017年モデルで、iPhoneの販売を回復させる必要がある。iPhoneの昨年(2016年)1年間の販売台数は、2億1500万台だった。これは、その前年の2億3150万台を下回っている。四半期ベースで見ると、昨年7~9月時点で3四半期連続の前年割れ。その後の10~12月期は同5%増に回復したものの、今年は、1~3月期が同1%減、4~6月期が同1.6%増と、ほぼ横ばいで推移している。
こうした中、世界最大のスマートフォン市場である中国が、その成長回復のカギを握ると言われているが、アップルは今、同国市場で苦戦している。