米アップルとサムスン電子と言えば、スマートフォン市場で熾烈な競争を繰り広げる宿敵同士。2011年に始まった両者の特許係争は、いまだ決着がつかず、2社は今も憎しみ合う関係。その一方で、この2社は、互いに相手を必要とする関係で、良き友人同士でもある。
iPhone Xのディスプレーはサムスン製
こうした、話題をニューヨーク・ポストやザ・バージなどの米メディアが、米ウォールストリート・ジャーナルの記事を取り上げて、伝えている。
アップルはiPhoneの部品供給でサムスンを必要としており、サムスンはそれにより、巨額の利益を得ている、というのがその理由だ。
例えば、アップルがまもなく発売するiPhoneの10周年記念モデル「iPhone X」には、iPhoneとして初めてOLED(有機EL)ディスプレーを採用するが、そのディスプレーパネルやメモリーチップは、サムスンの電子部品事業が供給する。
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巨額をもたらすiPhone X用部品
香港の市場調査会社、カウンターポイント・テクノロジー・マーケットリサーチが、ウォールストリート・ジャーナルの依頼で行った調査によると、iPhone Xが1台売れるごとに、サムスンの電子部品事業には、110ドルの売り上げがもたらされる。
もし、予測どおり、iPhone Xが大ヒット商品になれば、サムスンの部品事業は、自社スマートフォンの旗艦モデル「Galaxy S8」の部品供給で得る金額よりも、多くをアップルから得るという。