米国の市場調査会社IDCがこのほどまとめた、世界スマートフォン市場に関するリポートによると、今年(2017年)の年間出荷台数は、14億9750万台となり、前年比伸び率が1.7%にとどまる見通し。
世界スマートフォン出荷台数の前年比伸び率は、昨年2.5%となり、市場始まって以来の1桁成長を経験した。もはやスマートフォン市場は、かつてのような急成長を遂げることはないようだが、IDCによると、少なくとも市場は、今後4年間、安定した成長で推移するという。
安定成長のカギを握る要素とは
そのカギを握る要素は2つあると同社は分析している。その1つは、いまだスマートフォンを利用してない人々。IDCの推計によると、昨年末時点で、世界のスマートフォン利用者数は、世界人口のほぼ半分に達した。このことは、今後、初めてスマートフォンを購入する人が大勢いることを意味し、市場がまだ十分に成長の余地があることを示していると、同社は指摘する。
そしてもう1つは、2年周期の買い替え需要の継続。北米、西欧、日本、韓国では、すでにスマートフォンが十分に普及しており、上述したような初めてスマートフォンを買うという人が少ない。しかし、これらの市場では、多くの人がほぼ2年周期で、スマートフォンを買い替えており、この傾向は今後しばらく続くと同社は見ている。
そしてこれら2つの要素が、世界スマートフォン市場の安定成長につながり、市場は2021年まで、年平均3.3%の成長率で拡大していくと、IDCは予測している。