アマゾン・ドットコムが米高級スーパーマーケットチェーン「ホールフーズ・マーケット」を買収すると発表したのは、今年(2017年)6月だった。その後、米連邦取引委員会(FTC)などの承認を経て、同社がこの買収手続きを完了させたのは、今年8月28日。
アマゾンは買収完了と同時に、ホールフーズの取り扱い商品をアマゾンのサイトで販売するなどし、相乗効果を図ってきたが、すでにその効果は表れているようだ。米ウォールストリート・ジャーナルが、この1カ月間の買収効果について伝えている。
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ホールフーズ商品のネット販売効果
eコマースの販売分析を手がける米ワンクリックリテールによると、この1カ月間にアマゾンが同社eコマースサイトで販売した、ホールフーズ商品の売上高は、160万ドル(約1億8000万円)。
これを、詳しく見ると、アマゾンがホールフーズ商品をネットで取り扱い始めた最初の週の売上高は50万ドル。
その翌週と翌々週はそれぞれ30万ドル程度に落ち込んだ。これは、ホールフーズ商品が品不足に陥ったことが主な原因だったが、4週目の売上高は、50万ドルにまで回復した。
この1カ月間における、ホールフーズ商品のネット販売額は、アマゾンの1カ月当たり平均小売り販売額である80億ドル(約9030億円)に比べれば、ごくわずか。
しかし、これこそが、今回の買収の最大のメリットであり、今後アマゾンにおけるホールフーズ商品のネット販売が、直接的な売り上げ増大要因になる可能性があると、英コンサルティング会社カンターリテールのディレクターは話している。