米イリノイ州エバンストンのホールフーズ・マーケット(2007年7月撮影)。 Photo by Payton Chung, under CC BY 2.0.

 このほど、米アマゾン・ドットコムによる、米ホールフーズ・マーケットの買収が完了したが、アマゾンはさっそく、この高級スーパーマーケットを活用した新戦略を推し進めている。

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 アマゾンは、買収完了の初日から、大規模な値下げ販売をホールフーズの店舗で実施し、その割高イメージの払拭を図っている。例えば、有機栽培のバナナやアボカド、レタス、リンゴ、卵、サーモン、牛肉などの食品を複数の店舗で値下げした。

eコマースでもホールフーズ商品を値下げ販売

 しかし、同社の戦略はこれだけにとどまらない。

 例えば、これら自然食品をはじめとするホールフーズの取り扱い商品を、アマゾンの生鮮食品ネット販売「AmazonFresh」や、最短1時間以内に配達する「Prime Now」で販売し始めたのだ。その価格は、ホールフーズ店舗と同じ。米ウォールストリート・ジャーナルによると、商品種は、AmazonFreshで約900点、Prime Nowで90点。おそらくこの数は、今後、増えていく。

 そして、米ウォルマート・ストアーズや米クローガーといったライバルにとっての本当の脅威は、実店舗による値下げ販売ではなく、アマゾンのネット販売だと、ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

 ホールフーズは、その割高なイメージから、「ホール・ペイチェック(Whole Paycheck:給料のほぼすべてが高額食料品への支出で消えてしまうという意)」との異名で呼ばれていた。しかし、アマゾンはこの汚名を返上しようとしている。