ドン・キホーテはAIを駆使した新店舗の展開に乗り出す方針を明らかにした

 資産運用の世界にちょっとした異変が起きている。企業年金基金のポートフォリオの中で日本株が占める割合が急激に低下しているのだ。アベノミクス以降、多少の紆余曲折はあったが、日本株は堅調に推移してきた。それにもかかわらず、企業年金はなぜ日本株の比率を下げているのだろうか。

 背景には、日本市場の相対的な地位の低下に加え、産業のIT化とグローバル化が進んだことで、日本株、米国株というカテゴリーそのものが意味をなくしているという現実がある。

日本株の比率は年々低下

 JPモルガン・アセット・マネジメントは今年6月、日本の企業年金基金を対象とした運用状況調査の結果を発表した。それによると2017年3月期の運用ポートフォリオ(中長期の資産配分計画ベース)は、日本株が7.9%、外国株が13.7%、オルタナティブが16.5%、外国債券が19.2%、国内債券が27.9%だった。

 ここ数年の変化で顕著なのは、日本株比率の著しい低下とオルタナティブの拡大である。2013年3月末における日本株の割合は11.1%だったが、4年間で3.2ポイント下がった。一方、オルタナティブは9.1%だったので1.8倍に増えている。債券の比率も低下しているのだが、これは量的緩和策が継続している状況を考えると自然な流れといってよい。ヘッジファンドなどオルタナタティブの比率が上昇しているのも同じ文脈で理解することができる。この中で特徴的な動きということになると、やはり日本株の比率低下ということになるだろう。

 こうした状況は、国内最大の機関投資家で公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオと比較するとよりはっきりする。