米コネチカット州ロッキーヒルのコールズ店舗(2014年8月撮影)。 Photo by Mike Mozart, under CC BY 2.0.

「アマゾンを倒すことができないのなら、アマゾンと手を組めばいい」。米CNNマネーが、こんな見出しの記事を掲載している。

大手百貨店、アマゾンとの提携を拡大

 これは、本コラムでも先ごろ取り上げた、米アマゾン・ドットコムと、米百貨店大手コールズとの提携について伝えている記事だ。

(参考・関連記事)「アマゾンの実店舗戦略、今度は米大手百貨店と提携

 アマゾンとコールズは、先ごろ、スピーカー型AI(人工知能)音声アシスタント機器「Amazon Echo」などのアマゾン製品を、コールズの実店舗で販売するという提携を明らかにしたが、両社はこの関係をさらに発展させる。

 今度は、アマゾンが販売した商品の無料返品代行サービスを、コールズがこの10月から始めるという。

 コールズは全米49の州で1100店舗を展開する百貨店チェーン。だが、ここ最近、ネット通販に押されて客足が鈍っている。そこで、返品の受け付けから、梱包(こんぽう)、アマゾンへの発送などをコールズが無料で引き受けるサービスを始めるという。

 コールズの発表資料(PDF書類)によると、「Amazon Returns at Kohl’s」と呼ばれるこのサービスを提供するのは、ロサンゼルスとシカゴにあるコールズの82店舗。顧客には、専用の駐車場を用意するなど、利便性を高める施策も講じる。こうして、顧客の来店頻度を増やし、販売増加につなげる、というのがコールズの狙いだ。