今からちょうど1年前の2009年12月上旬、中国河南省の省都(日本の県庁所在地に相当)鄭州市の早朝、筆者は鄭州駅付近を散策していた。気温はジャスト0度くらい。北京よりは温かかったが、肌に突き刺さるように吹いてくる風が、ことさら冷たく感じられた。

日本人が親近感を抱く洛陽や開封

旧正月は故郷で、帰省ラッシュがスタート 中国

旧正月の鄭州駅〔AFPBB News

 内陸は中部に位置し、古くから「中原地方」と呼ばれる河南省の総面積は1.6万平方キロメートル、人口は約1億(鄭州市の人口は735万6000人)で中国全省、直轄市、自治区でナンバーワンだ。

 中国古代史を学んできた我々日本人には親しみが湧く洛陽や開封、竜門石窟なども河南省にある。

 同省の2009年のGDPは1兆9367億2800万元(前年度比+10.7%)は中西部で1番目、全国規模では5番目に大きな経済規模に当たる。

 1人当たりのGDPは1万9431元に過ぎず、国内でもまだまだ後ろの方に位置する。

 世界経済における中国のようだ。人口が多く、交通の要衝であるがゆえに、地政学的に重要なエリアでもある。

中国における戦略的要衝

 格差は大きく、インフラ投資や個人消費も伸び代が増えていく見込みだ。生産拠点、販売拠点、人材拠点としてのマーケットとしては、ポテンシャルに富んでいる。

 中国の地図を開いてほしい。河南省の戦略的要衝としての重要性は一目瞭然である。

 鄭州市人民政府の幹部は誇らしげに語る。「2011年か2012年頃には、北京~鄭州間で時速400キロを超える高速鉄道が開通しているだろう。2時間で来られる。加藤さん、北京から飛行機に乗る必要はもうなくなるんだよ」

 高速鉄道(略称「高鉄」)は中国の国家戦略であり、党・政府は公共投資事業として全国ネットでプロジェクトを推し進める。莫大な数の雇用も確保されるだろう。