今年10月に米国で販売が始まった「グーグルTV(Google TV)」。ソニーなどに続けと各家電メーカーが対応機器の準備を進めているが、そうした中、グーグルが突如としてメーカー各社に対し製品の発表を延期するよう申し入れたと報じられている。

 第一報は米ニューヨーク・タイムズの19日付の記事だった。理由はソフトウエアの改善。またスマートフォンのアプリのような仕組みも導入する予定で、そうした改良にしばらく時間がかかるのだという。

グーグルTVは期待外れだが・・・

グーグルテレビ、メーカーに対応セット発表延期を要請
ソニー、ネット対応テレビを米国で発売 「グーグルテレビ」対応

「グーグルTV」対応のソニーの液晶テレビ〔AFPBB News

 グーグルTVは、ソニーが対応テレビとブルーレイディスクプレーヤーを、スイスのロジテックがセットトップボックス(STB)を投入しているが、専門家などが製品の完成度が低いと厳しい評価をしている。

 例えばリモコン代わりに使うキーボードには80個ほどのボタンが付いているが、これが複雑すぎて操作しづらいという。また通常のテレビのように画面から3メートルほど離れて操作すると、文字が小さすぎて読めない。ニューヨーク・タイムズなどのメディアは「グーグルは複雑化という間違った道に進んでいるようだ」と指摘。さらにテレビ局の協力も得られないままのスタートとなり、NBC、CBS、ABCといった大手がウェブサイトの映像コンテンツを遮断しているという状況だ。

 期待外れと言われるグーグルTVだが、それでもメーカー各社はソニーにリードを許してはならないと参加を決めている。英フィナンシャル・タイムズによると、韓国のサムスン電子やLGエレクトロニクス、東芝、シャープが対応機器を準備している。メーカーにとって1月6~9日に米ラスベガスで開催される家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」は新製品披露の格好の場だが、今回のグーグルの要請で各社は発表を延期するもようだ(サムスンなど一部のメーカーは予定通り発表すると伝えられている)。