ラブドールも「共有」で 中国でレンタルサービス開始

中国北京で開催された販促イベントで展示されたレンタルラブドール。タッチ(Touch)提供(2017年9月14日撮影)。(c)AFP/Touch〔AFPBB News

「お巡りさん大変です! 近くの川に女の死体が浮かんでいます。たぶん若い娘だと思います!」

 今年8月17日午前11時頃、山東省温嶺市郊外の派出所にそんな通報があった。電話の主は近所の村人である朱おばさんである。「これは殺人事件だわ! 村でこんなに凶悪な事件が起きるなんて!」と、火曜サスペンスの冒頭のごとく驚き騒ぐおばさんをなだめ、現場に向かった人民警察が見たのは、緑色に濁った川面にたゆとう、豊かな黒髪の妙齢の女性と思しき「死体」であった。

 やがて、村人の一人が竹竿を持って来て、警官と協力して「死体」を引き揚げたことで事件の真相が明らかになる。女性の水死体と思われたのは、持ち主によって遺棄されたと見られる成人向けのラブドール。見物する村人たちと警官の間で、一斉に引きつった笑い声が上がった──。

雲南省羅平県の山中に遺棄されていた「死体」。これは怖い。現地報道より

 実は同様の事件は最近の中国で多発している。例えば今年9月3日には、江蘇省高郵市の川で同じく水死体発見の通報があり、警官が現場で確認したところラブドールであることが判明した。また8月8日には湖北省の漢江の川面に同じく水死体(=ラブドール)が浮かんでおり警官が出動、さらに5月には雲南省羅平県で山奥に女性の遺棄死体(=ラブドール)があると通報があり警官出動、4月19日には重慶市大足区の川で水死体(=ラブドール)発見の通報があり出動・・・といった調子である。

 もはや『月刊ラブドール通報』とあだ名を付けたくなるくらい、中国ではこの手の話がしばしば報じられているのだ。