マザー・テレサとダイアナ元妃は生前に親交があった(1997年6月18日、写真:ロイター/アフロ)

 英国のダイアナ元妃が交通事故で悲劇的な最期を迎えたのは1997年8月31日のことだった。36歳という若さでの非業の死である。あれからもう20年になる。

 ダイアナ元妃の死から1週間もたたない1997年9月5日、インドのカルカッタ(現在はコルコタ)でマザー・テレサが亡くなった。こちらは87歳の大往生。晩年はさまざまな疾患を抱えていたとはいえ、天寿を全うしたといっていいだろう。

 ダイアナ元妃だけでなく、マザー・テレサもまた、今年2017年は没後20年となる。だが、2人を並べて取り上げられることはあまりない。

ダイアナ元妃とマザー・テレサの共通点

 ダイアナ元妃もマザー・テレサも、恵まれない人たちへの奉仕に専念したという共通点があった。

 離婚後のダイアナ元妃は、対人地雷廃絶運動やHIV感染者への慈善活動などが、マザー・テレサと並んで世界中の人びとを感動させた。

 ダイアナ元妃には、若くして死んだ悲劇のプリンセスというイメージがある。それとは裏腹の膨大な量のスキャンダル報道もまた絶えることがない。聖性と魔性。聖女と悪女。そんな二項対立が容易に思い浮かぶ。